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MISSION

感染症分野に関連した次世代技術の研究開発により、
ライフサイエンス領域のシーズおよび
製品開発プラットフォームの構築を目指します。

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Our Intiatives

私たちは、学術機関(アカデミア)、医療従事者(臨床医、検査技師ほか)、ビジネスプロフェッショナル、および起業家が、薬剤耐性菌の根絶を実現したいという考えのもとに集まり、事業を開始しました。カーブジェン株式会社は最先端科学の支援、才能あふれる人材の採用・育成により、世界最先端の技術開発、製品開発に努めます。

薬剤耐性の脅威

世界規模のパンデミックは定期的に発生、20世紀に抗菌薬が登場。

世界規模のパンデミックは定期的に発生、20世紀に抗菌薬が登場

人類による感染症との闘いの歴史は古く、これまで多くの命が奪われてきました。中世ヨーロッパで推計5000万人が亡くなったペストや、世界中で20億人以上が感染したともいわれる結核、その他コレラ、スペイン風邪(インフルエンザ)、現在も続くCovid-19の流行など、世界的なパンデミックは定期的に発生し、ウイルスや細菌性感染症と人類は長く闘ってきました。

一方で19世紀にかけて感染症の原因菌が判明すると、ワクチンや抗菌薬(抗生物質)の開発、公衆衛生の向上により、死者数は減少しました。ペニシリンやストレプトマイシンなどの抗菌薬は細菌感染症の治療に用いられ、かつて国民病と呼ばれた結核も不治の病ではなくなるなど、感染症との闘いに大きな影響を与えました。

抗菌薬登場後は、その乱用により耐性菌出現の繰り返し

抗菌薬登場後は、その乱用により耐性菌出現の繰り返し

しかしながら、抗菌薬が急速に世の中に普及し始めた1940年代には、抗菌薬への耐性を獲得した薬剤耐性菌が見つかるようになりました。既存の抗菌薬が効かなくなるため薬剤耐性菌の治療は難しく、多くの処方量と代替薬を必要とする点で患者に対する負担も増えます。これが薬剤耐性(AMR)の問題です。この薬剤耐性菌の発生を防止するためには、必要のない抗菌薬を処方しないという取組みが重要となります。しかし、菌種推定に基づく適切な抗菌薬選定には、その正確性、迅速性等に課題があります。そのため現在も経験的治療による抗菌薬の不適切使用が改善されず、薬剤耐性菌の発生が世界的な問題となっています。

そして、すべての細菌が薬剤耐性を持つと言われており、なかでも広範あるいは完全な薬剤耐性を持つと考えられる細菌は「スーパーバグ(superbugs)」と呼ばれます

スーパーバグ(superbugs)

こうした状況に対して、新たな抗菌薬治療の開発が強く求められてきましたが、新薬開発のための取組みは何十年もの間、十分に行われてきませんでした。
その間に抗菌薬治療の浸透により、薬剤耐性の問題は先進国だけでなく発展途上国も含む世界的な関心事になっています。実際、世界保健機関(WHO)によると、毎年70万人近くが薬剤耐性菌(AMR)が原因で亡くなっています*。

そしてこのまま有効な解決策が見つからない限り、AMRとスーパーバグは2050年までには壊滅的な問題となると危惧されております。国連の報告によると、何も対策を講じない場合2050年における薬剤耐性(AMR)による全世界の死亡者数は1000万人を超え、悪性腫瘍による死亡者数を上回ると予測されています。またAMRに関連する世界全体での推定生産性累計損失は、最大100兆ドルに及ぶと試算されています**。

薬剤耐性(AMR)アクションプラン

日本では2016年に厚生労働省が「薬剤耐性(AMR)アクションプラン」を策定し推進しています。
主要菌種の耐性率や抗菌薬の使用量の減少などの数値目標を設定していますが、現時点では達成できていません。この原因として、不適切な診断プロセスが原因となって抗菌薬の不適正使用がなされているという問題の解決が難しい点が考えられます。

この点について、グラム染色の徹底が抗菌薬の適正使用に寄与するとの報告***もあり、現状改善にはグラム染色活用による正確かつ迅速な菌種推定が求められます。

  • * Antimicrobial Resistance in G7 Countries and Beyond, G7 OECD report, Sept. 2015.
  • **O’Neill, J. ‘Tackling Drug-Resistant Infections Globally: Final Report and Recommendations’. Review on Antimicrobial Resistance. May 2016.
  • ***前田 稔彦, 5)開業医での抗菌薬適正使用実践例, 日本内科学会雑誌, 2019, 108 巻, 9 号, p. 1824-1829