【医療従事者向け】細菌感染症菌種推定支援AIソフトウェア「BiTTE®-Urine」国際学術誌『Journal of Medical Microbiology』にて、グラム染色画像をAIが解析し、尿路感染症に関連する原因菌を専門医療職と同等の精度で識別できることが報告されました

  • BiTTE-Urine
  • 2025/07/18

感染症診断支援の領域でAI活用が加速する中、カーブジェン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:中島正和)が国立国際医療研究センター(現 国立健康危機管理研究機構)及び国立大学法人神戸大学と共同で開発した細菌感染症菌種推定支援AIソフトウェア「BiTTE®-Urine(ビッテ・ユリン)」の研究成果が、英国微生物学会が発行する国際学術誌『Journal of Medical Microbiology』に掲載されたことをお知らせいたします。(2025年4月23日公開)。

本研究では、グラム染色画像をAIが解析し、尿路感染症に関連する原因菌を専門医療職と同等の精度で識別できることが、国際的に初めて示されました。

■ 掲載論文情報

  • 論文タイトル:Accuracy of classification of urinary Gram-stain findings by a computer-aided diagnosis app compared with microbiology specialists
  • 掲載誌:Journal of Medical Microbiology
  • 公開日:2025年4月23日
  • 著者:Kei Yamamoto, Goh Ohji, Isao Miyatsuka, Kei Furui-Ebisawa, Ataru Moriya, Shogo Maeta, Hidetoshi Nomoto, Masami Kurokawa, Kenichiro Ohnuma, Mari Kusuki, Yukari Uemura, Norio Ohmagari
  • DOIhttps://doi.org/10.1099/jmm.0.002008

■ 研究の背景と目的

尿路感染症(UTI)は日常診療で頻繁に遭遇する疾患であり、迅速かつ正確な病原体の判定が治療効果に直結します。従来、グラム染色所見の読み取りには専門的な知識が必要とされ、診断の一貫性や精度の確保が課題となっていました。国立国際医療研究センターおよび神戸大学では現場でそれぞれの研究代表者の経験からこの問題点を強く認識してまいりました。

この課題を解決すべく、カーブジェン株式会社、国立国際医療センター・国際感染症センター、神戸大学はAIを活用し、スマートフォンで撮影したグラム染色画像を解析する診断支援ソフトウェア「BiTTE®-Urine」を共同で開発しました。

■ 研究結果の要点

  • 国立国際医療センター国際感染症センター、および神戸大学医学部付属病院で収集した306枚のグラム染色画像を用いて評価。
  • AI(BiTTE®-Urine)と20名(各施設10名)の細菌感染症専門医療職の識別精度を比較する非劣性試験を実施し、統計的に非劣性が証明されました。
  • 判定対象はグラム陽性球菌、グラム陽性桿菌、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌、酵母様真菌、複数菌、菌体なしの7種。
  • BiTTE®-Urineの正解率:87.9% / 専門で医療職の正解率:83.0%
  • 特に、グラム陰性桿菌や酵母様真菌の分類で高い精度を発揮。

■ 臨床現場への期待と今後の展望

グラム染色は尿路感染症の診断に有用な検査で、検査当日に迅速に結果が得られ、初期抗菌薬の選択や治療方針の決定を行えますが、その判読は専門性が高く習練を要し、グラム染色による塗抹検査実施施設は限定的です。BiTTE®-Urineは、専門医療職不在の施設、夜間帯などでも高精度なAI診断支援を実現し、抗菌薬の適正使用や医療リソースの効率化に貢献する可能性があります。

製品の詳細はこちらをご覧ください(当社コーポレートサイトへ)
https://carbgem.com/product/bitte-urine/(医療関係者向け)

承認番号:30600BZX00247000
一般的名称:微生物分類支援プログラム (71129002)
販売名:細菌感染症菌種推定支援 AI ソフトウェア BiTTE-Urine
医療機器の区分:管理医療機器(クラスⅡ)
製造販売業者:ネクスジェン株式会社 東京データラボ
製造業者/販売業者:カーブジェン株式会社 東京データラボ

今後は、尿路感染症以外の領域にも応用を広げ、さらなる精度向上と社会実装を目指して開発を進めてまいります。

<カーブジェン株式会社について>

カーブジェンは、ライフサイエンス分野において、診断支援、研究の効率化、品質管理の標準化・自動化を推進し、熟練技術者の不足や地域格差といった課題の解決に取り組んでいます。正確かつ迅速な結果を提供することで、医療や産業の現場を支援しています。
また、AI技術とデジタル・プラットフォームを活用し、研究者や医療従事者の連携を強化。薬剤耐性問題をはじめとするグローバルな課題の解決に貢献することを目指しています。
国内外の有力研究機関とのオープンイノベーションを通じて、産官学連携による未来の共創にも力を注いでいます。

・所在地:東京都渋谷区神南一丁目5番13号
・代表者:中島正和
・URL    https://carbgem.com/jp/