― 固形培地上のコロニー増殖挙動を定量化し、遺伝子改変株のスクリーニングを効率化。欧州におけるライフサイエンスDXの共創に向けた足がかりに ―
非モデル細菌を専門に微生物学・株開発サービスを提供する Forge Genetics Ltd(本社:英国ノッティンガム、CEO:Craig Woods)と、カーブジェン株式会社(本社:東京都渋谷区神南一丁目5番13号、代表取締役:中島正和)は、このたび、微生物の増殖挙動を定量的に評価するBGM法(微生物増殖モニタリング法)を用い、微生物株開発(ストレイン開発)における評価・選抜プロセスの高度化に関する共同実証を開始しましたことをお知らせいたします。
本共同実証では、カーブジェンがBGM法に基づく測定装置を提供し、Forge Geneticsが同装置を用いて遺伝子改変株・変異体ライブラリーの増殖データを取得します。取得したデータをカーブジェンが解析することで、株開発において有用な評価指標の特定と、評価アルゴリズムの開発を進めてまいります。
| 名称 | BGM法を用いた微生物株開発の評価・選抜に関する共同実証 |
|---|---|
| 実施者 | Forge Genetics Ltd(英国ノッティンガム)/カーブジェン株式会社 |
| 各社の役割 | Forge Genetics:遺伝子改変株・変異体ライブラリーの作出、BGM法による増殖データの取得、研究現場のニーズに基づく評価要件の提示 カーブジェン:BGM法に基づく測定装置の提供、増殖データの定量解析、評価アルゴリズムおよびソフトウェアの開発 |
| 対象 | 産業・医療上重要な細菌等の遺伝子改変株および変異体ライブラリー |
| 解析基盤 | カーブジェンのライフサイエンスAIプラットフォーム「CarbConnect®(カーブコネクト)」への実装を想定 |
| 用途 | 研究用途(本共同実証で使用する測定装置は非医療機器であり、疾病の診断・治療・予防を目的として使用することはできません) |
脱炭素社会の実現や持続可能なものづくりへの移行を背景に、発酵・微生物を活用した「バイオものづくり」および合成生物学への関心が世界的に高まっており、産業用途・医療用途に適した微生物株の開発(ストレイン開発)ニーズが拡大しています。
一方で、株開発の現場では、遺伝子改変や変異導入によって作出した多数の候補株の中から、目的とする形質を備えた有望な株を、いかに迅速かつ定量的に選抜するかが大きな課題となっています。従来、この評価は液体培養によるプレートリーダー測定や、固形培地上のコロニーの目視・手作業による観察に依存しており、候補株ごとの微細な差異を再現性高く捉えることが難しい状況にありました。
カーブジェンのBGM法は、固形培地上での微生物の増殖挙動を定量的に解析することで、従来の液体培養では見落とされていたり、固形培地上でも目視や手作業では捉えにくかった微細な差異を評価することを可能にする技術です。1枚の培地上に生じた多数のコロニーを個別に追跡し、増殖の立ち上がり(ラグタイム)、増殖速度、コロニーサイズ、色調変化といったパラメータを時系列で取得できることから、遺伝子型と表現型を早期に結び付ける評価手法として、株開発領域での活用が期待されます。
Forge Genetics Ltd は、英国ノッティンガム大学の合成生物学研究の知見をもとに2023年に設立されたスピンアウト企業です(英国登記番号:15022605、所在地:Biodiscovery Institute, University Park, Nottingham NG7 2RD, United Kingdom)。遺伝子導入が難しい産業・医療上重要な細菌を対象とした株開発サービスを提供するとともに、独自のゲノム編集技術「Forge Editing」のライセンス提供を行っています。
公式サイト:https://www.forgegenetics.com/
・遺伝子改変株・変異体ライブラリーの評価に有用なパラメータ(ラグタイム、増殖速度、コロニーサイズ、色調変化等)の特定
・BGM法により取得した増殖データを定量解析する評価アルゴリズムの開発
・有望株のハイスループット・スクリーニングを支援する仕組みの構築
・欧州の研究・産業現場のニーズを踏まえたソフトウェア要件の明確化
なお、本共同実証で得られる知見は、カーブジェンが2026年6月に採択された総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」(ICTスタートアップリーグ)の研究テーマ「培養データのリアルタイム解析基盤の研究開発」にも活用してまいります。
Forge Genetics Ltd CEO Craig Woods
このたびカーブジェンとの共同実証を開始できることを大変うれしく思います。遣伝子改変が難しい細菌の株開発では、多数の候補株の中から評価・選抜するためのより良い手法が長く求められてきました。BGM法は、固形培地上でコロニーごとに増殖挙動を定量化する技術であり、遣伝子型と表現型を現在よりもはるかに早い段階で結び付ける新たな評価軸をもたらすと期待しています。両社で、株開発サービスの水準を引き上げてまいります。
カーブジェンのBGM装置は、1枚のプレート上のすべてのコロニーについて増殖挙動のデータを与えてくれます。1枚の寒天平板から100本もの増殖曲線が得られるとなれば、心を躍らせない微生物学者はいないでしょう。さらに、感度の高い色調データが得られること、そして肉眼で見える前の段階でコロニーを検出できることを加えれば、期待はいっそう高まります。本技術は、ハイスループット・スクリーニングはもとより、日常的な株の改変ワークフローにおいても大きな可能性をもたらします。
Forge Geneticsは、遺伝子ツール開発において常に最先端であり続けることを目指しており、それは最も先進的な実験機器を手がける企業と組むことを意味します。カーブジェンはまさにそのパートナーです。BGMを活用することで、当社はプラスチック器具や消耗品のコストを大幅に抑えながら、ハイスループットな変異導入・スクリーニングのサービスを提供できるようになります。
カーブジェン株式会社 代表取締役 中島正和
このたび、英国ノッティンガム大学発の合成生物学企業である Forge Genetics Ltd と、BGM法を活用した共同実証を開始できることを大変光栄に思います。カーブジェンは、AIとバイオテクノロジーを融合し、ライフサイエンス分野における研究・診断支援・品質管理の高度化に取り組んでいます。BGM法は、微生物の増殖挙動を定量的に可視化することで、従来の評価手法では捉えにくかった差異を明らかにすることを目指す技術です。世界最先端の株開発に取り組む Forge Genetics との共同実証は、当社技術の適用領域を欧州へと広げる重要な一歩であり、産官学の連携・共創によるライフサイエンスDXの推進に貢献してまいります。
両社は今後、BGM法による増殖データの取得と解析を進め、株開発における評価指標の特定、評価アルゴリズムの開発、およびソフトウェア要件の明確化に取り組んでまいります。得られた成果については、あらためて公表を予定しています。
また、カーブジェンは本共同実証を通じて、欧州における研究・産業現場のニーズを把握し、ライフサイエンス領域のDX・AIソリューションのグローバル展開を加速してまいります。
【Forge Genetics Ltd】
| 会社名 | Forge Genetics Ltd |
|---|---|
| 代表者 | CEO Craig Woods |
| 所在地 | Biodiscovery Institute, University Park, Nottingham NG7 2RD, United Kingdom |
| 設立 | 2023年7月(英国登記番号:15022605) |
| 事業内容 | 産業・医療上重要な細菌を対象とした株開発サービス、独自ゲノム編集技術「Forge Editing」のライセンス提供 |
| 公式サイト | https://www.forgegenetics.com/ |
【カーブジェン株式会社】
| 会社名 | カーブジェン株式会社(英語表記:CarbGeM Inc.) |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役 中島正和 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区神南一丁目5番13号 |
| 設立 | 2021年3月 |
| 事業内容 | AIとバイオテクノロジーを活用したライフサイエンス分野向けソリューションの開発・提供 |
| 公式サイト | https://carbgem.com/ |
カーブジェンは、プログラム医療機器(SaMD)の承認取得をはじめとする先進的な技術を通じて、ライフサイエンス分野における診断支援、研究の効率化、品質管理の標準化・自動化を推進しています。熟練技術者の不足や地域の格差といった社会課題の解決に取り組み、正確かつ迅速な結果を提供することで、医療や産業の現場を支援しています。2025年1月に東京都主催「Tokyo Social Innovation Tech Award 2024」において奨励賞を受賞、2026年2月にはインド政府主催「AI Impact Summit 2026 – 世界TOP10」に選出、2026年4月に「第38回 中小企業優秀新技術・新製品賞 ソフトウエア部門 優秀賞」を受賞、2026年6月には総務省「ICTスタートアップリーグ」に採択されるなど、国内外で数々のアワードを受賞。産官学との連携によるオープンイノベーションを通じて、未来の地域・医療・研究の共創にも力を注いでいます。