「第15回家畜感染症学会学術集会」にて推奨研究を発表

― 独自AI技術による「乳房炎診断の標準化」で、畜産現場のAMR対策に貢献 ―

カーブジェン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:中島正和、以下「当社」)は、2025年12月6日(土)・7日(日)に東京大学で開催された「第15回家畜感染症学会学術集会」において、広島大学との共同研究成果を発表いたしました。当日は、広島大学大学院統合生命科学研究科 鈴木直樹准教授および当社の上利尚大による「推奨研究」として、AI画像解析技術を用いた乳牛の乳房炎迅速診断に関する講演を行いました。

■ 発表のハイライト:ヒト医療技術を獣医領域へ

本学会において、当社は以下の演題にて研究成果を報告いたしました。

  • 演題: 乳房炎迅速診断のためのグラム染色法とその標準化を目指したAI画像解析技術の開発と応用
  • 発表者: 鈴木 直樹(広島大学)、上利 尚大(カーブジェン株式会社)

■ 背景:迅速診断の壁と「属人性」の課題

酪農現場において「乳房炎」は最大の経済的損失要因の一つであり、適切な抗菌薬使用(AMR対策)のためには原因菌の特定が不可欠です 。しかし、従来の培養法は結果判明に24時間以上を要するため、初診時の的確な治療選択が困難でした 。 一方で、迅速な「グラム染色法」は、検査に熟練した技術と経験が必要であり、診断精度が個人のスキルに依存する「属人性」が普及の課題となっていました 。

■ 当社のアプローチ:AIによる「匠の技」の標準化

この課題に対し、当社はヒト医療領域で医療機器承認を取得している細菌感染症菌種推定支援AIソフトウェア「BiTTE®」および自動染色装置「PoCGS」の技術を応用しました 。 広島大学との共同研究において、乳汁検体に特化した前処理法(乳グラム染色)と当社のAI技術を組み合わせることで、以下を実現する可能性を示しました。

1. 診断の迅速化 スマートフォン等のアプリ解析により、数秒〜10秒以内で菌形態および推定結果を提示。
2. 診断の標準化 経験の浅い検査者でも、熟練者と同等の精度で菌種推定が可能に。

■ 今後の展望:One Health(ワンヘルス)の実現に向けて

本技術は、農林水産・食品分野の社会的課題解決に資する技術として、生研支援センターの「スタートアップ総合支援プログラム(SBIR支援)」にも採択されています。当社は、ヒト・動物・環境の健康を一体的に守る「ワンヘルス(One Health)」の視点に立ち、数年以内の現場実装を目指して研究開発を加速させてまいります 。