― 感染症診断AI「BiTTE®」の国際共同研究を発表、アジア医療のDX推進に寄与 ―
カーブジェン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:中島正和、以下「カーブジェン」)は、2025年11月3日〜4日にベトナム・ハノイで開催された「第33回 バクマイ病院学術大会(The 33rd Bach Mai Hospital Scientific Conference)」において、当社アジア事業部長の上利 尚大(Takahiro Agari, DVM, MPH)が登壇したことをお知らせいたします。
上利は以下のテーマで講演を行いました。
講演タイトル:
Development and Implementation of Image Recognition AI to Estimate Bacterial Morphology and Species using Gram Stain Findings in Blood Culture Bottle
(グラム染色所見を用いた血液培養ボトル中の菌形態・菌種推定を目的とした画像認識AIの開発と実装)
講演では、感染症診断支援AI「BiTTE® Microbial Estimation AI」の研究成果および、ベトナムで進行中の共同研究について発表しました。
「バクマイ病院学術大会」は、ベトナム北部最大の総合病院であるBach Mai Hospital(バクマイ病院)が主催する年次国際会議であり、今年で33回目を迎えました。
2025年のテーマは「Digital transformation and Artificial Intelligence – The foundation for breakthrough development of modern medicine(デジタルトランスフォーメーションと人工知能:近代医療の発展を支える基盤)」。
当日は基調講演をはじめ、32の専門セッションと6つのサテライトセッションが開催され、国内外の医療関係者・研究者約1,000名が参加。AI医療、スマートホスピタル、デジタル診断支援など、医療DXを牽引するテーマが多く取り上げられました。


講演タイトル:Development and Implementation of Image Recognition AI to Estimate Bacterial Morphology and Species using Gram Stain Findings in Blood Culture Bottle
(グラム染色所見を用いた血液培養ボトル中の菌形態・菌種推定を目的とした画像認識AIの開発と実装)
登壇者:上利 尚大(Takahiro Agari, DVM, MPH)/カーブジェン株式会社 アジア事業部長
開催日時:2025年11月3日〜4日
開催場所:バクマイ病院(Bach Mai Hospital/ベトナム・ハノイ)
主催:Bach Mai Hospital
上利は、敗血症など重症感染症の早期診断を支援するAIモデルの開発と実装について発表しました。
グラム染色画像から菌の形態や菌種を推定する本技術は、従来熟練技師の経験に依存していた解析を自動化し、10秒以内の迅速推定と専門家レベルの精度を両立しています。
本AIは、国立国際医療研究センター(NCGM)および神戸大学病院との共同開発により生まれ、日本ではクラスIIプログラム医療機器(SaMD)として承認済の「細菌感染症菌種推定支援 AI ソフトウェア BiTTE-Urine」にも応用されています。
ベトナム・バクマイ病院との共同研究では、血液培養検体510例を対象にAI推定精度の評価、専門技術者に対する推定精度の非劣性を検証予定であり、本研究では自動グラム染色機「PoCGS®」を用いてグラム染色の自動化及び標準化を行います。
上利は講演の中で次のように述べました。
「AIとDXは、リソースが限られた医療環境にこそ大きな力を発揮します。
ベトナムをはじめとするアジアの医療現場で、誰もが高品質な検査結果にアクセスできる未来を実現したいと考えています。」

カーブジェンは、感染症分野におけるAI応用をさらに拡大し、「CarbConnect®」や「BiTTE® lite」などのクラウド・スマートフォンアプリを通じて、医療現場での実用化を推進します。
今後はベトナムを含む東南アジア諸国において、AIによる検査支援と抗菌薬適正使用を両立させる仕組みづくりを加速し、耐性菌対策(AMR)や医療アクセス格差の是正に貢献していきます。