カーブジェン株式会社(代表取締役:中島正和、本社:東京都渋谷区)は2023年4月28日、世界的な課題である「薬剤耐性問題」の解決を目指すため、当社が開発中の細菌感染症菌種推定・適正抗菌薬選定支援アプリ「BiTTE(Bacterial infection teller and treatment estimator、以下BiTTE/読み:ビッテ)」の研究用製品を発表、製品改良に協力頂ける医師・技師・医療機関・企業の募集を開始いたします。
本募集は、広く医療従事者の声を集めて細菌感染症分野での研究開発を促進するとともに、一層のユーザービリティの改善、システムのブラッシュアップ等を目的としています。
なお、開発中の製品は学術研究のためのAIを用いた画像認識、データ分析システム等を提供するものであり、ヒト若しくは動物の疾病の診断、治療及び予防その他医療行為等に使用することを目的として提供されるものではありません。本製品を疾病の診断、治療又は予防等のために使用する場合、法令に違反する可能性があります。
20世紀に初めての抗菌薬が開発され、急速に広まるとともに、抗菌薬への耐性を獲得し、その効果を得にくくなる「薬剤耐性菌」が現れました。なかでも広範あるいは完全な薬剤耐性を持つと考えられる細菌は「スーパーバグ(superbugs)」と呼ばれ、世界的な課題としても注目されています。実際、2019年には世界で約100万人以上が薬剤耐性菌に関連して亡くなったと見積もられており、更に2050年には年間の死者数は1000万人にも及ぶと推定されています。
既存の抗菌薬が効き難くなるため「薬剤耐性菌」の治療は難しく、多くの薬剤処方量と代替薬が必要となります。また、手術時や抗がん剤治療等で免疫が低下したときに感染すると致命的となるなど、様々な医療的な課題を引き起こす原因ともなっています。これが「薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)問題」です。
薬剤耐性菌発生の抑止には、「感染症の原因を正しく診断し、抗菌薬の適正投与による治療を行う」ことが重要です。
しかしながら、現在の国内外の医療体制においては設備・時間・コスト等の面から、全ての医療機関で正確に診断するための投資を行うことは困難です。
当社は、幅広い医療現場で正しい診断を行える環境を構築するため、バイオロジーとデジタル技術の融合を通じて、 独自に開発した AI 解析技術を細菌感染症分野に応用し、薬剤耐性問題の解決への貢献を目指してBiTTEを開発いたしました。
BiTTEは、グラム染色像に対するAI画像解析技術を利用した高精度な菌種推定、ならびにアンチバイオグラムと連携した適正抗菌薬の選定を支援する仕組みです。
菌種推定については、グラム染色画像と培養検査による菌種確定結果を学習した画像認識AIモデルを構築し、その推論結果を用います。 グラム染色画像は、光学顕微鏡にアタッチメントを介して、スマートフォンを接眼レンズ部分に取付け、スマートフォンのカメラで撮影します。薬剤感受性試験の結果を統計的データとして用いるアンチバイオグラムによりエビデンスデータに基づき、抗菌薬適正使用を支援します(2022年7月に特許登録済み)。
薬剤耐性の発生低減を目指して、スペクトラムスコアやWHOのAWaRe分類も表示することで、より狭域な抗菌薬の選択を支援します。
現在、PMDA相談を経て、尿検体、血液培養陽性検体に関して有効性評価試験の準備をしており、2023年内のPMDA申請を目指します。
※画面は開発中のものであり、変更になる可能性があります。
パシフィコ横浜ノースで開催される、第97回日本感染症学会総会・学術講演会の展示ブースでBiTTE研究用製品の紹介を行います。
また、当社コーポレートサイトからも製品改良のご協力お申し込みが可能です。
問い合わせ先:https://carbgem.com/contact/
QRコード:
※協力医療機関の募集受付については、2023/8/31をもって終了させて頂きました。
多数ご参加頂きまして誠にありがとうございました。頂いた貴重なご意見を製品改良に活かして参ります(2023/8/31追記)。
バイオロジーとデジタル技術の融合を通じて、独自に開発した AI 解析技術を細菌感染症分野に応用することを目指します。また、国内外の有力研究機関等とのオープンイノベーションを通じて世界規模の課題である薬剤耐性問題への貢献を目指します。
・所在地:東京都渋谷区神南一丁目5番13号 ルート神南ビル6階
・代表者:中島正和
・URL:https://carbgem.com/jp/
【本件に関するお問い合わせ】
カーブジェン株式会社
経営企画本部 広報担当
Email press@carbgem.com