JETRO「日 ASEAN におけるアジア DX 促進事業」に採択

〜ベトナムにおける細菌感染症診断のDX化を推進〜
〜原因菌鑑別プラットフォームの確立により、薬剤耐性問題解決への貢献目指す〜

 画像解析AIを細菌感染症診断に応用し、薬剤耐性問題に取り組むカーブジェン株式会社は、経済産業省の令和2年度補正予算により日ASEAN経済産業協力委員会(以下、AMEICC)が実施する「日ASEAN におけるアジアDX促進事業」(事務局:日本貿易振興機構、以下、ジェトロ))において、当社が推進する「ベトナムにおける細菌感染症領域のDX推進を目的としたオンラインでの原因菌鑑別支援プラットフォームの構築」が採択されましたことをお知らせします。 

<本事業応募の背景> 

 薬剤耐性(以下、AMR)は世界的な課題であり、適切な措置を講じない限り、2050 年までに AMR による死者は年間 1000 万人を超えると推測されています。 

 日本においても2016 年に厚生労働省により策定された AMR 対策アクションプランに代表されるように、世界各国で AMR 対策が進んでいますが、新興国では専門医の不足・地域偏在に加え、医療プラットフォームの整備不足等によりその対策が遅れているのが現状です。 

 ASEAN諸国において、特にベトナムの抗菌薬の使用量は高い水準を保っており、2000〜2015 年の期間中において20%以上上昇しているとの試算もなされております。 

 また、米国の公衆衛生研究機関 CCDEP の統計によると、幾つかの抗菌薬に対して、 ベトナム国民が高い耐性率を持っていることも示されており、世界的な薬剤耐性問題に取り組む当社においては、本事業を通じて経済産業省、AMEICC及びジェトロとの官民連携のもと、これまでの知見を生かし、ベトナムをはじめとしたASEAN諸国に新たな原因菌鑑別プラットフォームの確立を推し進めていくことを目指しております。 

<本事業の目的・内容> 

 本事業では、カーブジェン株式会社が持つ AI(機械学習/深層学習アルゴリズム)による形態学的評価モデルの技術を応用し、現地の汎用的な光学顕微鏡で撮影したグラム染色画像、検体・症状等のデータを取り込み、医師が診断・治療を支援する遠隔プラットフォームを構築することで、感染症専門医が不在な施設や、夜間救急のような専門医不在時でも、迅速かつ高精度に感染症起因菌の鑑別支援を実現します。 

 ベトナムのバクマイ病院 (感染症科・微生物検査室)を現地パートナーの協働機関として推進していく予定です。 

本事業の構想

<「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」について 

 日本企業と現地企業との協働によるデジタル技術を活用した実証事業を通じて、ASEANにおける経済・社会課題を解決し、日ASEANが一体となってデジタルイノベーションの社会実装を進めることを目的とします。 

カーブジェン株式会社について

 バイオロジーとデジタル技術の融合を通じて、独自に開発した AI 解析技術を細菌感染症分野に応用することを目指します。また、国内外の有力研究機関等とのオープンイノベーションを通じて世界規模の課題である薬剤耐性問題への貢献を目指します。