【医療従事者向け】スマートフォンを用いた血液培養グラム染色画像の AI診断支援に関する研究成果 – ESCMID Global 2026にて口頭発表

欧州臨床微生物・感染症学会(ESCMID Global 2026)にて口頭発表に採択

~神戸大学、国立健康危機管理研究機構(JIHS)、カーブジェンの産学連携研究、世界最大規模の感染症学会で評価~

カーブジェン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:中島正和、以下「当社」)は、臨床微生物学・感染症学分野における世界最大規模の国際学会「ESCMID Global 2026」(会期:2026年4月17日〜21日、会場:ドイツ・ミュンヘン)において、当社が開発した微生物推定支援AIソフトウェア「BiTTE®-iE」(ビッテ アイイー)の血液培養版に関する性能試験の研究成果について、口頭発表(Oral Presentation)を実施したことをお知らせいたします。

本研究は、海老澤馨医師(研究実施当時:神戸大学医学部附属病院、現所属:東北大学病院 総合感染症科)を筆頭発表者とし、神戸大学医学部附属病院および国立健康危機管理研究機構(JIHS)の2施設で実施された多施設臨床研究です。スマートフォンで撮影した血液培養検体のグラム染色画像から、BiTTE®が起因菌を予測する精度を検証したもので、その成果が国際的に高く評価されました。

ESCMID Global 2026について

ESCMID Global(旧称:ECCMID)は、欧州臨床微生物・感染症学会(European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases)が主催する年次国際学術集会であり、臨床微生物学・感染症学分野において世界最大規模を誇ります。2026年はドイツ・ミュンヘンのMesse Münchenにて4月17日から21日まで開催され、世界各国から約18,000名の専門家・研究者が集結しました。

口頭発表は、多数の応募演題の中から学術的意義と新規性が特に高いと評価された演題のみが選出される発表形式であり、本研究が同学会において採択された事実は、国際的な学術評価の高さを裏付けるものです。

学会情報

学会名:ESCMID Global 2026(旧称:ECCMID)
主催:欧州臨床微生物・感染症学会(European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases)
会期:2026年4月17日(金)〜21日(火)
会場:Messe München(ドイツ・ミュンヘン)
参加見込:約18,000名(世界各国より)
公式サイト:https://www.escmid.org/

研究の背景

菌血症(血流感染症)の死亡率は15〜30%と報告されており、早期の起因菌同定と適切な抗菌薬選択が患者予後に直結します。グラム染色は起因菌を推定するための基本的かつ重要な検査ですが、グラム染色の正確な判読には一定の専門性と経験が求められます。日本国内において夜間にグラム染色結果を報告できる施設はわずか38%にとどまり、微生物検査の専門家が常駐しない時間帯における迅速な菌種推定が課題となっています。こうした背景から、当社はAIを活用してグラム染色画像から起因菌を予測するAIソフトウェア「BiTTE®」を開発しました。BiTTE®は尿検体向けのプログラム医療機器(SaMD) である細菌感染症菌種推定支援AIソフトウェア「BiTTE®-Urine」を既に展開しており、今回の研究は血液培養検体に対象を拡大した性能試験となります。

項目内容
販売名細菌感染症菌種推定支援AIソフトウェアBiTTE-Urine
一般的名称 微生物分類支援プログラム(71129002)
クラス分類クラスⅡ
承認番号30600BZX00247000
製造販売業者ネクスジェン株式会社 東京データラボ
製造業者カーブジェン株式会社 東京データラボ

※尿検体で承認取得した製品

研究概要

発表演題 (Abstract: 2420):
“Accuracy of Gram stain interpretation by smartphone-based computer-aided diagnosis app in blood culture samples”
(スマートフォンベースのコンピュータ支援診断アプリによる血液培養検体グラム染色判読の精度)
研究デザイン:後方視的観察研究
実施施設:神戸大学医学部附属病院、国立健康危機管理研究機構(JIHS)
臨床研究期間:2022年10月1日〜2023年1月31日
AI学習画像数:68,114枚
臨床検証画像数:好気ボトル7,034枚、嫌気ボトル5,540枚

筆頭発表者:
海老澤 馨(研究実施当時:神戸大学医学部附属病院、現所属:東北大学病院 総合感染症科)

BiTTE® AIモデルの特徴

■形態分類:
    グラム染色画像から菌の形態を7カテゴリ(酵母、グラム陽性桿菌、グラム陽性球菌、グラム陰性桿菌、グラム陰性球菌、混合感染、菌なし)に分類

■ 菌種分類:
    形態分類の結果に基づき、グラム陽性球菌・グラム陰性桿菌・グラム陽性桿菌の各カテゴリにおいて、さらに菌種レベルまで分類

本研究の意義

本研究は、スマートフォンという広く普及した汎用デバイスを用いて、血液培養陽性検体のグラム染色画像からBiTTE®-iEが起因菌を予測する有用性を、複数施設・複数デバイスの条件下で実証した点に大きな意義があります。

微生物検査の専門家が不在となる夜間・休日においても、臨床現場の医師や検査技師がスマートフォンでグラム染色画像を撮影し、AIの支援を受けて起因菌を推定できる可能性を示しており、抗菌薬適正使用への貢献が期待されます。

今後の展望

当社は、ライフサイエンス領域における画像解析をはじめとするAI技術の臨床実装を通じて、診断支援・研究効率化・品質管理の標準化に取り組んでまいりました。今回の国際学会での口頭発表採択は、当社の技術が臨床研究を通じて国際的に評価された成果であり、今後の研究開発および事業展開において重要な意味を持つものと考えております。

引き続き、大学・研究機関との連携を深めながら、AI技術の臨床実装の推進に取り組み、医療現場の課題解決に貢献してまいります。

【カーブジェン株式会社について】

カーブジェンは、プログラム医療機器(SaMD)の承認取得をはじめとする先進的な技術を通じて、ライフサイエンス分野における診断支援、研究の効率化、品質管理の標準化・自動化を推進しています。熟練技術者の不足や地域の格差といった社会課題の解決に取り組み、正確かつ迅速な結果を提供することで、医療や産業の現場を支援しています。

また、AI技術とデジタルプラットフォームを活用し、研究用途AI、自治体・産業DXまで、科学的根拠に基づく意思決定を支えるソリューションを提供しています。2026年2月にはインド政府主催「AI Impact Summit 2026 – 世界TOP10」に選出されたほか、東京都主催「Tokyo Social Innovation Tech Award 2024」、第38回 中小企業優秀新技術・新製品賞ソフトウエア部門「優秀賞」を受賞するなど、国内外で数々のアワードを受賞。産官学との連携によるオープンイノベーションを通じて、未来の地域・医療・研究の共創にも力を注いでいます。

URL:https://carbgem.com/