グラム染色の有用性
本邦の日本感染症学会、化学療法学会のガイドラインでは喀痰のグラム染色と培養は原因菌同定と治療方針決定のために推奨されています。(AⅡ)[1]。的確な手順で検査が施行されている場合は抗菌薬選択に有用であることや院内肺炎の診断精度が高まること、グラム染色において菌体が確認できない場合に、抗菌薬を使用せずに経過観察する選択肢を持てることが利点です。
一方でAmerican Thoracic Society (ATS)/Infectious Diseases Society of America (IDSA)のガイドラインでは、合併症のない外来患者の市中肺炎には喀痰グラム染色、培養ともに推奨されておらず、経験的な抗菌薬治療が推奨されています [2]。これは最も頻度が高いStreptococcus pneumoniaeとHaemophilus influenzaeを意識した診療と考えられています。
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