【論文/感染症】ネズミは喀痰から肺結核を嗅ぎ分ける:診断精度のメタ分析

  • 英文タイトル:Rats sniff out pulmonary tuberculosis from sputum: a diagnostic accuracy meta-analysis
  • 雑誌名:Scientific Reports
  • 著者:R Kanaan et al.
  • 掲載年月:2021年1月21日
  • URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33479276/
  • DOI: 10.1038/s41598-021-81086-x

背景

結核はワクチンや薬物療法が登場してから長くなるが、いまだに感染症による死亡原因の世界第1位である。結核は結核菌に感染することで罹患する感染症であり、結核の治療には数カ月にもわたり、低・中所得国においては薬剤の確保など医療経済の大きな負担となっている。

現在、結核のスクリーニングとしてZiehl–Neelsen染色に基づく直接顕微鏡検査(ZN)、抗原検査、PCR検査など方法があるが、診断と治療のモニタリングに必要な全ての情報が得られる検査はない。

結核による医療負担が大きいサハラ以南のアフリカでは、結核患者を特定するためにアフリカオオネズミ( Cricetomys gambianus )を用いた新しい結核検出ツールを適用している。患者の痰の臭いをアフリカ大ネズミが嗅ぐことで、結核特有の VOC(volatile organic compounds) プロファイルを認識するものと思われる。しかしながら、現在までにこのアフリカ大ネズミを用いたメタ分析は報告されていない。そこでアフリカオオネズミを肺結核を検出するための追加ツールとして使用することの感度と特異度に関する系統的レビューとメタアナリシスを実施した結果を報告する。

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