ディスク法による薬剤感受性試験(ディスク拡散法)で阻止円の計測を正確に行うためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
適切なディスクの配置:均等なディスク間隔: 薬剤ディスクは、互いに重ならないように、また外縁から一定の距離を保つように配置します。これにより、薬剤間で干渉せず、正確な阻止円の計測が可能になります。
ディスクの押し付け: ディスクはしっかりと培地に押し付け、空気が入らないようにします。ディスクがしっかりと接触していないと、薬剤の拡散が不完全になる場合があります。
適切なインキュベーション条件:温度と時間の管理: インキュベーション温度や時間は、使用する細菌の種類と薬剤に最適な条件で設定する必要があります。通常は37°Cで24時間のインキュベーションが標準ですが、条件が適切でないと阻止円が不明瞭になったり、誤った結果を招くことがあります。
正確な阻止円の計測:透明な定規を使用: 阻止円の直径を正確に測定するために、定規やノギスなどを使用します。阻止円の中心から直線的に測定し、円の外周を最も明確に観察できる部分を基準にして計測します。
適切な基準値の使用:阻止円の直径を測定した後、使用している薬剤に対する基準値(感受性、耐性を判断するための規定値)と照らし合わせて結果を評価します。規定されたガイドライン(例:CLSIやEUCASTなど)に基づいて判定します。
薬剤の安定性確認:薬剤ディスクの品質: 薬剤ディスクの品質が劣化している場合、拡散特性に影響を与え、正確な計測が困難になることがあります。薬剤の有効期限や保存状態を確認することが大切です。
ディスク法による薬剤感受性試験で阻止円計測を正確に行うためには、培地の準備からディスクの配置、インキュベーション条件、測定方法、結果の評価に至るまで、細かな注意が必要です。正確な計測には、技術的な精度と安定した検査環境を維持することが重要です。また、結果の評価を行う際には、基準値に基づいた判断を行うことが必須です。