【論文:薬剤耐性】ミトキサントロンは宿主と細菌の両方を標的とすることで腸球菌のバンコマイシン耐性を克服する

  • 英語タイトル:Mitoxantrone targets both host and bacteria to overcome vancomycin resistance in Enterococcus faecalis
  • 雑誌名:Science Advance
  • 筆者:Ronni A. G., et al
  • 掲載年月:2023年2月
  • URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36812322/
  • DOI:10.1126/sciadv.add9280

Executive Summary

  • 目的
    • 薬剤耐性菌の問題が益々深刻になり、その中の一つにバンコマイシン耐性の腸球菌(VRE, Vancomycin-resistant enterococci)がある。一般に、腸球菌の感染により免疫活性化が抑制されるため、マクロファージによる腸球菌クリアランスの促進が宿主指向性免疫療法の標的となる。開発時間、コストを短縮するために、これまでに、FDA (Food and Drug Administration) 承認済みの薬剤が既に広く研究されており、その中から上記の問題に対して新たな病原体や宿主細胞をターゲットできる薬剤が研究されてきた。先行研究では、4000以上の化合物のマクロファージによるin vitroでマクロファージによる細胞内細菌の殺傷を増強する能力が評価され、最も強力なのはがんの治療に使用されるミトキサントロン(MTX)であった。本研究の目標は、ミトキサントロンの抗菌薬活性とマクロファージ増強作用をより深く調べ、治療メカニズムを解明することにある。

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