【論文/感染症】涙嚢の非結核性抗酸菌感染による膿瘍に対し眼瞼のデブリードメントを行った症例報告

背景

非結核性抗酸菌は、土壌や水などの環境中に生息する自由生活生物であり、結核菌やレプラ菌以外のマイコバクテリア属を示す。ヒトで病原体となる非結核性抗酸菌には、Mycobacterium avium complexMycobacterium abscessus complexの2つのグループがある。近年、M. avium complexと比較して治療抵抗性が高く、治療成績が悪い傾向にあるM. abscessus complex感染症が増加している。非結核性抗酸菌症の主な臨床症状は、肺病変、皮膚病変、播種性病変の3つで免疫抑制療法を受けている患者に多くみられる。
眼科領域では、非結核性抗酸菌感染症は涙嚢炎(涙嚢感染)として発症し、外科手術を含む外傷との関連も報告されている。本研究では、涙嚢灌流と鼻涙管ブジ―の介入後にM.abscessusによる涙嚢感染から下眼瞼膿瘍を発症し、治療開始から7ヵ月後の眼瞼剥離標本に持続性の肉芽腫性病変を認めた患者を報告する。

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