【論文/感染症】子豚の髄膜炎を予測するための軟髄膜塗抹標本の顕微鏡的評価

はじめに
化膿性髄膜炎は生後3~10週齢の子豚によく見られる疾患であり、Streptococcus属による感染が一般的な原因と考えられている。特にS.suisがによる感染が最も重要で、この細菌による感染は髄膜炎、多発性関節炎、心内膜炎など、主に化膿性の炎症性病変を様々に引き起こし、これらの感染症は重大な死亡率につながる可能性がある。化膿性髄膜炎は肉眼で確定することは難しく、細菌培養などの臨床検査が必要となる。しかしながら細菌培養には時間がかかることから、結果が得られる前にさらなる感染拡大へとつながる可能性があり、迅速なスクリーニング検査は診断プロセスにおいて非常に有用となる可能性がある。
そこで、本研究では、神経学的徴候および/または急性死亡を呈した子豚の剖検時に採取した軟膜表面の細胞学的印象標本の顕微鏡的観察が、化膿性髄膜炎の迅速な暫定診断を確立する上で有用なツールとなるかどうかを検証した。

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