【KOLインタビュー】栁原 克紀氏(長崎大学病院 臨床検査科/検査部 部長)〜薬剤耐性問題において求められること〜#2

※本インタビューは2022年12月に実施しています

(カーブジェン有泉(以下、有泉)) ここまで先生の研究と今後期待されている技術についてお伺いしましたが、次にAMR(antimicrobial resistance: 薬剤耐性)を国として今後どのように対処していけばいいかについてお伺いします。日本では2016年に厚労省がアクションプランを発表しましたが、改善していった方が良いと思われる点はございますか。

(桝原先生) 私は感染症学会、化学療法学会、臨床微生物学会、環境感染学会と4学会の理事をしており、AMRの学会にもすべて参加しました。

現在は抗菌薬の調査と抑止という2つの柱で対策が練られていますが、それでは不十分でした。まず検査が必要です。検査抜きで抗菌薬を使用していたら偏りもできますし、誤った抗菌薬の使用も発生します。しっかりとした検査と遺伝子検査を中心とした抗菌薬選択をもう少し対策に盛り込むように助言しました。もう1つは、薬の使用だけを抑制するだけでなく、薬を使い分けなければいけないということです。

(有泉) 検査は病院でのお話ですか?それともクリニックなどのお話ですか?

この記事の続きをお読みいただくには、
ログインまたは会員登録が必要です。

CARBGEM+は、感染症領域で活躍する、スペシャリストのための専門情報サイトです。会員登録により会員限定の記事の閲覧が可能になります。

グラム染色を極める