【論文/感染症】血液培養から分離された、2つの遺伝子をもつエンテロトキシン産生菌Clostridium perfringens: 症例報告と文献レビュー

背景・目的
Clostridium perfringensC. perfringens)は、嫌気性芽胞形成グラム陽性桿菌であり、腐敗した植物、土壌、糞便中、ヒトや動物の腸内細菌叢に存在する。しかし、この菌は壊疽、がん患者や消化管感染症患者における菌血症、抗生物質による下痢、化学療法後の感染症の原因となることもある。その病原性は毒素産生によるところが大きい。 6つの主要な毒性因子はα-毒素、β-毒素、ε-毒素、ι-毒素、エンテロトキシン、NetB毒素であり、それぞれplc、cpb、etx、iap、ibp、cpe、netB遺伝子によって産生される。2014年にはplc遺伝子によってコードされるC. perfringens enterotoxin(CPE)とは異なる、becA遺伝子とbecB遺伝子によってコードされる新しいエンテロトキシン、BEC(binary enterotoxin of C. perfringens)が報告された。 BECを産生するC. perfringens株は、ヒトの急性胃腸炎の原因菌となる可能性がある。今回、消化器症状を伴わない、BECを産生するC. perfringens分離株による菌血症の最初の症例について述べていく。

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