【論文/感染症】新生児集中治療室におけるEnterobacter cloacaeのコロニー形成と感染:多クローン性アウトブレイク後に実施された予防対策の後ろ向き研究

背景

入院中の新生児、特に早産児は、未熟で免疫系が弱いため、感染症のリスクが高い。新生児感染症に関与するグラム陰性菌の増加は、罹患率や多剤耐性(MDR)株の出現などにつながり、特に、Enterobacter cloacaeE.cloacae)は、新生児集中治療室(NICU)の院内感染の原因となるグラム陰性菌である。

エンテロバクター属細菌は新生児の腸の微生物叢に早期に定着するため、腸がこのような感染症のリザーバーとなる可能性がある。しかし、近年E.cloacaeが関与するアウトブレイクがいくつか報告されており、NICUの環境やスタッフもNICU内での感染や伝播の原因となっている可能性が示唆されている。本研究の目的は、フランスにおいて E.cloacaeによる感染症の集団発生後に実施された予防対策が、あるNICUにおけるE.cloacaeの腸内におけるコロニー形成と侵襲的感染症に及ぼす影響を6年間にわたって評価することである。本論文ではNICU内でE.cloacae感染が集団発生した後に実施した予防策の影響について報告する。

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