【論文/感染症】救急診療科における敗血症の小児に対する抗生物質投与の遅れと死亡リスクの関連性について

背景・目的
敗血症は世界の小児の死亡原因の第1位で2017年の死亡者数は340万人と推定されており、小児の罹患率、医療利用率、医療費に大きな影響を与えている。小児敗血症における国際的ガイドラインでは、敗血症性ショック発症から1時間以内、ショックを伴わない敗血症性臓器機能障害発症から3時間以内の抗生物質投与を推奨している。

小児敗血症における抗生剤の適時投与の重要性は判明しているが、正確な投与時間は確立されていない。 また抗生剤投与までの時間と小児敗血症の転帰との関連を評価した先行研究は単施設のみでの調査である。本研究の目的は、大規模な多施設共同改善の一環として敗血症の治療を受けた小児のコホート研究のデータを調査し、敗血症の特定から抗生物質投与までの時間と敗血症に起因する死亡率との関連を評価することである。まず初めに抗生物質投与が敗血症起因性死亡率の変化と関連する時点が過去に存在するかどうかを判定し、次にそのような時点が存在する場合、小児における抗生物質投与までの時間と敗血症起因性死亡率との関連を解明していくことである。

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