【論文/ワンヘルス】日本における生肉ベースのドッグフードからの抗菌薬耐性サルモネラ菌分離株

はじめに

サルモネラ属菌は、腸内細菌科に属するグラム陰性桿菌であり、ほとんどの脊椎動物の腸管に定着している。通常ヒトへの感染は、サルモネラ菌に汚染された肉、乳製品、その他の食品の摂取などがあるが、感染した動物への接触、汚染されたドッグフードやおやつによるヒトへの感染も報告されている。

市販の生の肉ベースの食事(RMBD:raw meat‐based diets)は、ほとんどのペットショップやスーパーマーケットで購入可能であり、通常、さまざまな種類の動物の生の肉、食用の骨、臓器で構成されている。近年、RMBDは、いくつかの理由から従来のドライフードや缶詰のペットフードをペットに与えたくない犬の飼い主の間で人気が高まっている。一方で、病原性微生物が除去処理が除去処理がされてないことによる微生物負荷などが含まれている。イヌ用のRMBDは、ヒトおよびイヌのサルモネラ症との関連が報告されているため、米国疾病予防管理センター(CDC)および米国食品医薬品局(FDA)は、イヌへのRMBDの給与を推奨していない。
そのため、現在、いくつかの国でRMBDのサルモネラ汚染が調査されている。しかし、日本では食用を目的とした特定の生肉製品からサルモネラが分離されているにもかかわらず、RMBDのサルモネラ汚染は調査されていない。
本研究の目的は、日本で市販されている犬用RMBDにおけるサルモネラ汚染の現在の蔓延状況を明らかにし、得られたサルモネラ分離株の抗菌薬耐性を調査することである。

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