【論文/抗菌薬】年間販売・出荷・処方データを用いた下水処理場に流入した抗菌剤の濃度と抗菌剤濃度予測値の対応関係評価

  • 英文タイトル:Evaluation of the Correspondence between the Concentration of Antimicrobials Entering Sewage Treatment Plant Influent and the Predicted Concentration of Antimicrobials Using Annual Sales, Shipping, and Prescriptions Data
  • 雑誌名:Antibiotics
  • 著者:Takashi Azuma, Takashi Nakano, Ryuji Koizumi, Nobuaki Matsunaga, Norio Ohmagari, Tetsuya Hayashi
  • 掲載年月:2022年4月1日
  • URL:https://www.mdpi.com/2079-6382/11/4/472/htm  

Executive Summary

目的:
薬剤耐性菌の出現と蔓延は地球規模で急速に進行している問題である。これは河川、湖沼、海などの水環境から広く検出される。下水処理場では様々な廃液が濃縮されており、薬剤耐性菌の重要な発生源となる可能性がある。過去の研究では排水中に薬剤耐性菌以外の抗菌剤も検出されているが、この抗菌剤は本来の薬効を保持した未変化体の形で体外に排泄され、下水道を通じて下水処理場に回収される。しかし従来の下水処理場での排水処理では医薬品の化学汚染物質を完全には除去できず、処理水は河川、湖沼、海洋などの水域環境に流入する。残留する抗菌剤は生態系への毒性や人の健康に及び、飲料水源を通じ新たな薬剤耐性菌の発生を促進し、水環境中の微生物への感染を介してヒトへの感染リスクを高める可能性もある。本研究の目的は、都市部の下水処理場流入水中の代表的抗菌薬濃度調査で得られた測定値と、出荷量、販売量、処方量から推定される予測値との対応関係を評価し、排水中の抗菌剤濃度の予測手法の有効性を評価することである。

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