【論文/感染症】シャム猫におけるP. aeruginosaインプラント関連感染症に対するファージ抗生物質療法の成功

背景・目的
抗生物質耐性病原体は世界的に深刻な問題となっており、ヒトと動物の両方において治療不可能な感染症を引き起こしている。最も一般的な細菌感染源の一つは緑膿菌であり、呼吸器感染症、軟部組織感染症、尿路感染症など、ヒトや動物に多種多様な感染症を引き起こすことが知られている。医療負担が大きく、抗菌薬耐性率が高いことから、世界保健機関はヒトの健康における重要な優先病原体として認めている。バクテリオファージ療法(ファージ療法)は、細菌性病原体に対して細菌特異的ウイルスを利用する治療法で、この治療法は持続感染症の潜在的な解決策として、ここ10年で世界中で再び注目を集めている。
獣医学において、in vivoファージ療法の研究の大部分は、家畜や実験動物を対象とした管理された環境で実施されており、コンパニオンアニマルに関してはファージ療法の症例はほとんどない。
本稿では、関節固定術後に発症したインプラント関連緑膿菌感染症を患う猫に対し、個別に調整したファージ抗生物質療法の症例を報告する。

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