【論文/AMR】人工涙液に関連した広範囲薬剤耐性緑膿菌の集団発生

背景

カルバペネマーゼを産生するカルバペネム耐性緑膿菌(CP-CRPA)は、米国における新たな公衆衛生の脅威である。 これらの細菌は広範囲に薬剤耐性を示し、非CP-CRPAと比較して死亡率の高い感染症に関連している 。報告されている米国の医療現場でのCP-CRPAの集団発生は、主に単一の医療施設または患者共有ネットワーク内での感染である。

米国の臨床検査室で同定されたCRPAのサブセットは、抗菌薬耐性検査室ネットワーク(AR Lab Network)を通じてカルバペネム耐性メカニズム検査のために公衆衛生検査室に提出され、感染制御と公衆衛生に関する情報が提供される。2021年以降、米国疾病管理予防センター(CDC)は、感染が広がっている株の分子疫学情報を地域(施設レベルなど)のアウトブレイク調査組織に提供するため、CP-CRPA分離株の全ゲノム配列決定(WGS)を優先的に行っている。

2022年9月、ある急性期医療施設で発生したCP-CRPAアウトブレイクから得られたWGSデータを解析した結果、この菌株は通常とは異なる遺伝的特徴を持つことが判明した。 この菌株は緑膿菌の配列型(ST)1203であり、ベロナ・インテグロン媒介型メタロ-β-ラクタマーゼ(VIM)変異体blaVIM-80とギアナ拡張型β-ラクタマーゼ(GES)変異体blaGES-9を保有していた。 10月中旬までに、2022年5月以降に採取された培養物から、同じ遺伝的特徴を有する5州30株を同定した。この 発生源の調査および結果について報告する。

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