今回は基本的な解説の②になります。(①はこちらから )
菌の形状だけで菌種が分かる場合があります。特に有名なのは便からのキャンピロバクターになります。らせん状の桿菌で2-3回巻きと記載があり、実際見たときに分かるの?と思いますが、少し経験を積んだ検査技師の場合は『あっこれ?』と見つけることができます。しかし写真で見せるように非常に特徴のある像のため、覚えていただけると良いかなと思います。
見方のコツは・・・小児であれば、一面に見えますが、成人の場合は常在菌に紛れて見難いので目を凝らして探す必要があります。鶏肉の生食でマーブル様の粘血便であればS/Oキャンピロバクターになります。グラム染色で見ると染まりの悪い粘性の物質が背景に見えるのでその周囲を探す と見付かります。
キャンピロは陰性桿菌ですが大腸菌などに比べて外膜が薄い?ので染色が淡く目をこらして見るのも必要です。後染色もサフラニンでするよりパイフェル(塩酸フクシンの薄めたもの)の方が綺麗に染まりますので、後染色の液は何を使っているか確認しておくことをお勧めします。
トライしてみてください。菌の形状を見るのであれば前染色(青)のみの方が見やすいですよ。
※山本剛先生:「グラム染色道場」ブログの本文はこちら