- 英文タイトル:Global burden of bacterial antimicrobial resistance in 2019: a systematic analysis
- 雑誌名:The Lancet
- 著者:Antimicrobial Resistance Collaborators
- 掲載年月:2022年2月12日
- URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35065702/
- DOI:10.1016 / S0140-6736(21)02724-0
Executive Summary
目的:
本研究では、系統的な文献レビュー、病院システム、サーベイランスシステム、およびその他の情報源からデータと予測統計モデリングを用いて、細菌性薬剤耐性 (AMR)に起因する死亡と障害調整年(DALYs)を推定し、AMRによる疾病負荷に関する新しい洞察を得ることを目的とする。
手法:
・期間:2019年の1年間
・地域:204の国と地域
・対象の病原体:23の病原体と88の病原体-薬物の組み合わせ
・具体的な手法:以下5つの情報と予測統計モデリングを使用して、データのない場所を含むすべての場所におけるAMRによる直接の死亡数とAMRが関連する死亡数の推定値を算出した。(それぞれ、すべての薬剤耐性感染症が感受性出会った際の仮定、およびすべての薬剤耐性感染症が引き起こされなかった際の仮定をもとに推定)
①感染症に起因した死亡数
②特定の感染症候群に起因する感染性死亡数の割合
③特定の病原体に起因する感染性症候群による死亡の割合
④対象の抗生物質に耐性のある特定の病原体の割合
⑤およびこの耐性に関連する死亡の過剰リスクまたは感染期間
結果
予測統計モデルに基づき、2019年の細菌性AMRに関連する死亡は495万件と推定され、そのうち細菌性AMRに直接起因する死亡は127万件であった。
地域レベルでは、耐性に起因する全年齢死亡率はサハラ以南アフリカ西部が最も高く、10万人あたりの死亡数が27.3件であり、一方でオーストララシアでは死亡率が最も低く、10万人あたりの死亡数は6.5件であった。
2019年には、下気道感染症は耐性に関連した死亡の150万件以上を占め、最も疾病負荷の大きい感染症症候群と推定された。