【KOLインタビュー】山本剛氏(大阪大学)〜微生物検査現場におけるリアル〜#2

(カーブジェン中島(以下、中島))ここまで先生のグラム染色道場についてお聞かせいただきましたが、このブログを主催されている約15年間で微生物検査における課題や変化などがあれば教えていただけないでしょうか。

(山本)変化という意味では、微生物検査結果を医師に積極的に報告する機会は増えたと思います。
ゲームの攻略本ではないですが、今は感染症の参考書が非常に売れるようになっているため、感染症に対して興味を持った医療従事者が増えたと思います。
その中で、課題は見つかっており、微生物検査技師は、診療内容から医師が必要としている微生物検査結果が何か絞れていないことが多く、それはカルテ情報を上手く利用できていないことが原因の一つと感じています。私は、西神戸医療センターで医師とコミュニケーションを近くで取り、診療上の問題点についても直接お伺いする機会が多かったため、患者背景や身体所見から感染症にフォーカスを当てて臨床推論を行い、原因微生物の推定も行ってきました。
そのため、カルテ上から患者情報を読み取り、微生物検査結果を報告する際に、医師が何を求めて検査を実施したのか、その考えに基づき検査情報を提示することができました。

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