臨床現場の「困った」を、
製品にするまで
医療AIシーズを、論文の先へ進めるロードマップ
大学・病院の研究者、産学連携本部、研究支援センターのための実務ガイド
カーブジェン株式会社 · 東京・神戸 · carbgem.com
目次
- エグゼクティブサマリー
- 1. なぜ今か
- 2. 工程0 — その「困った」は製品になるか
- 3. 工程1 — 教師データをどう集めるか
- 4. 工程2 — 研究用で出すか、医療機器を目指すか
- 5. 工程3 — 性能をどう示すか
- 6. 工程4 — 誰が製造販売業を持つか
- 7. 工程5 — 実装と運用
- 8. 順番を間違えると起きること — 4つの失敗パターン
- 9. 現実的な時間軸
- 10. 当社グループがたどった道
- 11. 次の一歩/お問い合わせ
- 12. カーブジェン株式会社について
- 13. 出所
- 付録 — 用語
White paper
臨床現場の「困った」を、製品にするまで
医療AIシーズを、論文の先へ進めるロードマップ
大学・病院の研究者、産学連携本部、研究支援センターのための実務ガイド
エグゼクティブサマリー
臨床現場の「困った」から生まれたAIは、学内で試作し、論文にするところまでは進みます。止まるのはその先です。誰と組むのか、薬事はどうするのか、教師データをどう集め直すのか、コストはいくらかかり何年かかるのか。この問いに答えが出ないまま、成果が研究室の中にとどまっている例を、私たちは数多く見てきました。
本稿は、臨床ニーズ起点のAIを製品にするまでの工程を、当社グループが実際に通った順番で示します。製品化は6つの工程に分かれ、工程の順番そのものが所要期間を決めます。
- 工程0:その「困った」は製品になるか。研究テーマと製品テーマは違います。使用目的を先に決めます。
- 工程1:教師データをどう集めるか。倫理審査・同意・データの権利。2026年12月から倫理指針が変わります。
- 工程2:研究用で出すか、医療機器を目指すか。後戻りできない分岐点です。
- 工程3:性能をどう示すか。専門家との比較試験の設計と論文化。
- 工程4:誰が製造販売業を持つか。大学・病院が自ら持つ例はごく限られます。企業と組む必然性と、組む相手の見極め方。
- 工程5:実装と運用。承認はゴールではなく、運用の始まりです。
多くの遠回りは、順番を間違えることから生まれます。典型は「先にデータを集め、使用目的を後から決める」ことです。本稿では各工程で決めるべきこと、判断の材料、後戻りできなくなる分岐点を示し、最後に当社グループ(製造販売業者:ネクスジェン株式会社)がプログラム医療機器の承認取得までたどった工程を開示します。
私たちはプロセスを支援するものであり、結果を保証するものではありません。該当性・クラス・必要なエビデンス・承認・保険適用は、製品ごとに当局が判断します。
1. なぜ今か
プログラム医療機器は、もう特別なものではない
日本で承認または認証を受けたプログラム医療機器は、2025年3月までの累計で581品目(一部変更を除く)に達しました。このうち疾病診断用プログラムが417品目、流通ルートで見ると承認が160品目(27.5%)、認証が421品目(72.5%)です [S1]。画像診断支援だけで371品目が実績を持ち、審査の考え方は製品類型ごとに公表されています [S2]。
制度面では、2020年11月の「DASH for SaMD」で一元的相談窓口と専門審査部門が整い [S3]、2023年9月の「DASH for SaMD 2」で二段階承認の枠組みが示されました [S4][S5]。PMDAは製品類型ごとの審査ポイントを公開し、承認前例のある類型を認証ルートに移しています [S2]。つまり、臨床ニーズ起点のAIを製品にする道は、制度としてはすでに舗装されています。
2026年12月、倫理指針が変わる
「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の改正が2026年8月27日に告示され、同年12月1日から適用されます [S6]。多機関共同研究の一括審査、同意手続の整理、既存試料・情報の取り扱いなど、教師データの収集に直接関わる規定が見直されました [S7]。これから教師データを集める研究者にとって、工程1の設計は「新しい指針で」行うことになります。
審査は長くない。長いのは、その前
PMDAは医療機器の審査期間に目標を設け、達成状況を公表しています。新医療機器(通常品目)は目標14か月に対し令和6年度実績11.7か月、改良医療機器(臨床あり)は目標10か月に対し8.9か月、改良医療機器(臨床なし)は目標6か月に対し6.0か月、後発医療機器は目標4か月に対し3.8か月(いずれも80または60パーセンタイル値、令和6年度は速報値)です [S8]。当社グループの経験でも、長いのは審査ではなく、申請にたどり着くまでの工程です。本稿が扱うのは、その「申請にたどり着くまで」です。
2. 工程0 — その「困った」は製品になるか
問い
研究として面白いことと、製品として成り立つことは別です。この時点で分けておかないと、工程1以降のすべてが二度手間になります。
研究テーマと製品テーマの違い
- 研究テーマは「できるか」を問います。新規性があれば論文になります。
- 製品テーマは「誰が、いつ、何のために使い、誰が費用を払うか」を問います。新規性だけでは成り立ちません。
製品テーマに変えるための最初の作業は、使用目的を一文で書くことです。「どの検体・画像を入力に、誰に向けて、何を出力し、その出力が診療のどの判断に使われるか」。この一文が、該当性・クラス・必要な評価・保険の議論すべての起点になります。
該当性は「使用目的」で決まる
プログラムが医療機器に該当するかどうかは、機能ではなく、表示・説明資料・広告等に基づく使用目的とリスクの程度で判断されます。同じ機能でも使用目的が違えば判断が変わり得るため、厚生労働省のガイドラインは、企画段階から使用目的を十分に検討するよう求めています [S9]。該当・非該当の判断事例も公表されています [S10]。
個別製品の該当性は、PMDAの一元的相談窓口で確認できます [S2]。ここで最初に聞くべきは「医療機器になりますか」ではなく、「この使用目的だと、どの類型・クラスとして扱われますか」です。
後戻りできない分岐点
使用目的は、後の工程で広げるほど評価が増えます。狭く定義して出発し、エビデンスが集まってから広げる方が、逆よりも安く済みます。二段階承認はまさにそのための枠組みです [S5]。
3. 工程1 — 教師データをどう集めるか
問い
手元にあるデータは、研究目的で集めたものです。それを製品の学習・評価に使えるか。使えないなら、どう集め直すか。
倫理審査と同意
診療で得られた検体や画像を研究に使う場合、倫理指針に基づく倫理審査委員会の審査と、研究対象者へのインフォームド・コンセント(IC)またはオプトアウトの手続が必要です [S7]。2026年12月適用の改正指針では、研究を「侵襲・介入研究」「試料を用いる研究」「試料を用いない研究」の3つに分け、リスクに応じてICかオプトアウトかを定めました。既存試料・情報を用いる研究は原則オプトアウトとなり、多機関共同研究の倫理審査は、侵襲・介入研究では一つの倫理審査委員会による一括審査が必須、その他の研究でも原則となります [S6][S7]。製品化を見据えるなら、同意の範囲に「企業との共同研究」「製品開発への利用」を含めておくことが、後の工程を左右します。
「正解」は誰が決めるか
AIの教師データで最も時間がかかるのは、画像を集めることではなく、「何を正解とするか」を決め、専門家に付けてもらうことです。正解の定義(培養結果か、専門家の判読か、合議か)は、工程3の評価設計と工程2の薬事ルートに直結します。ここは臨床側が主導すべき工程で、企業に任せると後で評価が成り立たなくなります。
データの権利
共同研究契約で決めておくべきことは4つです。①誰がデータを保有するか ②学習済みモデルの権利は誰にあるか ③論文の公表権と時期 ④製品化後の利益配分。工程4で企業と組む前に、大学・病院側の方針を固めておくと、交渉が速くなります。
後戻りできない分岐点
研究目的でのみ同意を得たデータは、製品開発に転用しにくい。集め直すなら、最初から製品化を含む目的で集める方が、はるかに安上がりです。
4. 工程2 — 研究用で出すか、医療機器を目指すか
問い
精度の出るAIができたとき、出口は3つあります。医療機器に該当しない研究用途に限って出すか、医療機器に該当しない業務支援等のプログラムとして出すか、プログラム医療機器として承認・認証を取りに行くか。
3つの出口
出口 A
研究用途
- 何を言えるか
- 研究用途に限る(医療機器に該当しない範囲)。診療上の判断には使えない。研究として使う場合は倫理審査を経る
- 必要な体制
- 品質管理は必要だが、薬機法上の製造販売業は不要。該当性の根拠を文書化
- 向いている場合
- まず研究者に研究として使ってもらい、知見を蓄積したい
- 注意点
- プログラムに法令上の「研究用(RUO)」区分はなく、使用目的と実態で判断される。診療に使う表示・説明・実態があれば該当性が変わる [S9]
出口 B
非医療機器プログラム
- 何を言えるか
- 使用目的が診断・治療・予防に当たらない範囲(業務支援・教育など)
- 必要な体制
- 同上。該当性の根拠を文書化
- 向いている場合
- 臨床判断に直接関与しない用途
- 注意点
- 機能追加で該当性が変わり得る [S9]
出口 C
プログラム医療機器
- 何を言えるか
- 承認・認証された使用目的の範囲で、診療に使える
- 必要な体制
- 製造販売業者(QMS省令・GVP省令)、設計管理、臨床評価
- 向いている場合
- 診療の判断に使ってもらう製品にしたい
- 注意点
- 工程3・4が必須。期間と費用が最も大きい
Aで出して、後からCへ
多くのシーズにとって現実的なのは、まず医療機器に該当しない研究用途に限って出し、倫理審査を経た研究の中で知見を蓄積し、その後にCを目指す道です。ただし、プログラムには法令上の「研究用(RUO)」区分がなく、医療機器に該当するかは使用目的と実態で判断されます。Aの段階で「診療に使える」と受け取られる表示・説明をしたり、実際に診療の判断に使われたりすれば、未承認医療機器の広告・提供(販売・授与)と見なされるおそれがあります [S9]。また、研究として集めたデータをCの評価に使えるかは、工程1の同意範囲と工程3の評価設計に依存します。この道を選ぶなら、Aの時点でCを見据えた設計をしておく必要があります。
二段階承認という選択肢
プログラム医療機器では、狭い使用目的・エビデンスでまず承認を取り、追加データで使用目的を広げる二段階承認の枠組みがあります [S5]。業界団体が診断用プログラムの想定事例を公表しています [S11]。自分の製品が当てはまるかは、一元的相談窓口で確認します [S2]。
後戻りできない分岐点
Cを選んだ時点で、設計管理(開発の記録)が求められます。Aで作ったものをCに持っていく場合、開発の記録を遡って整えることは困難です。Cの可能性が少しでもあるなら、Aの時点から記録を残してください。
5. 工程3 — 性能をどう示すか
問い
研究室での精度と、製品として示すべき性能は別です。誰と、どの集団で、何と比較して示すか。
評価設計の3要素
- 比較対象。何と比べるか。専門家の判読か、既存の検査法か。プログラム医療機器では「専門家と比べて劣らない」を示す非劣性の設計がよく使われます。
- 評価集団。学習に使っていない、別施設・別期間のデータで評価します。1施設のみでは一般化を問われます。
- 評価者。専門家の判読を比較対象にするなら、複数の専門家で、学習データと独立した条件で行います。
論文は、承認の後でもよい
評価の結果は論文として公表する価値がありますが、承認申請と論文の順番は自由です。BiTTE-Urineでは、承認後に論文化しました(第10章)。重要なのは、評価のデザインを申請前にPMDAと相談しておくことです。相談なしに実施した評価が、申請で使えない形になっている例は少なくありません。
後戻りできない分岐点
評価に使ったデータは、以後の学習には使えません。評価用データを先に確保し、学習から隔離しておくこと。これを怠ると、評価をやり直すことになります。
6. 工程4 — 誰が製造販売業を持つか
問い
プログラム医療機器を市場に出すには、製造販売業者が必要です。大学・病院は、それになれるのか。
製造販売業とは
製造販売業許可は、総括製造販売責任者等の配置、製造管理・品質管理(QMS省令)と製造販売後安全管理(GVP省令)への適合が求められる、事業者向けの許可です [S12]。大学・病院が自ら取得して製品を市場に出す例はごく限られ、実務上は企業が製造販売業者になります。つまり、工程4は「どの企業と組むか」という問いです。
組む相手の見極め方
- 製造販売業を持っているか。持っていない企業と組むと、さらに別の企業が必要になります。クラスIIまでなら第二種、クラスIII以上なら第一種の許可が必要です [S12]。
- プログラム医療機器を通した経験があるか。機器の経験とプログラムの経験は別です。
- データと実装の両方を持てるか。薬事だけ、AIだけの企業では、工程間の受け渡しで時間を失います。
- 権利の取り決めに応じるか。工程1で固めた大学・病院側の方針に、対等に応じる相手かどうか。
カーブジェンが持っているもの
カーブジェンは、第二種医療機器製造販売業許可(許可番号13B2X10578、2023年11月10日取得)、医療機器製造業登録(2023年1月)、高度管理医療機器等販売業・貸与業許可(2024年1月1日、東京営業所)を保有し、クラスIIまでのプログラム医療機器を自社名で設計・製造・申請・販売(電気通信回線を通じた提供を含む)できます [S13]。ISO/IEC 27001:2022(情報セキュリティ)の認証を受けています [S14]。パートナーの製品についても、クラスIIまでの製造販売業者として市場に出すことができます。なお、第10章で開示するBiTTE-Urineは、関連会社のネクスジェン株式会社が製造販売業者として承認を取得し、カーブジェンは販売元です [S18]。
後戻りできない分岐点
製造販売業者の名前で承認が下ります。後からパートナーを変えることは容易ではありません。工程4は、工程0〜2が固まってから決めてください。
7. 工程5 — 実装と運用
問い
承認は、使ってもらうためのスタートです。病院にどう入れ、誰が保守し、モデルの更新はどうするか。
決めておくこと
- 導入形態。院内サーバーか、クラウドか。クラウドなら、医療情報の取り扱いに関するガイドライン(厚労省・経産省・総務省の3省2ガイドライン)への適合が前提になります [S15]。
- 保険。保険適用を目指すかどうかで、工程3の評価項目が変わります。保険適用の区分と手続は厚生労働省の通知で定められており、新しい機能区分や技術料の設定が必要な区分(C1・C2)は年4回(3・6・9・12月が基準)を標準に、既存の区分(A2・B1)は原則として翌月1日から保険適用されます [S16]。プログラム医療機器では評価療養の活用が議論されており、医療機器全般の仕組みである「チャレンジ申請」(使用実績を踏まえた再評価)もあります [S16][S17]。
- 再学習。モデルを更新するとき、承認事項の変更が必要になる場合があります。更新の設計と手続きは、承認前に決めておきます。
- 運用の担い手。研究室では運用できません。製造販売業者が市販後の安全管理(GVP)を担います。
後戻りできない分岐点
新しい機能区分や技術料を伴う区分(C1・C2)の保険適用は、年4回が標準です。どの区分を目指すかで評価に求められるものが変わるため、工程3の評価設計の時点で、保険の有無と目指す区分を決めておきます [S16]。
8. 順番を間違えると起きること — 4つの失敗パターン
一般化して記述しています。
- データ先行。「とにかくデータを集める」から始め、使用目的を後から決める。集めたデータの同意範囲が製品化に使えず、集め直しになる。
- 論文先行。論文に最適化した評価設計で進め、申請で求められる比較・集団・評価者の条件を満たさない。評価をやり直す。
- 企業先行。最初に声をかけてきた企業と組み、使用目的・権利・薬事ルートが未整理のまま契約する。方針が合わず、解消にも時間がかかる。
- 承認ゴール。承認を目標に走り、保険・導入・運用を考えていない。承認は下りたが、使われない。
共通するのは、工程を単独で進めたことです。工程0・1・2は一体で決め、その後に3〜5を固定する。順番そのものが、最も効く時間短縮策です。
9. 現実的な時間軸
所要期間は製品ごとに異なるため、本稿では予測値を示しません。示せるのは、何が期間を決めるか、そして工程1・3・4は並行して進められる、ということです。
| 工程 | 期間を決めるもの | 短縮するには |
|---|---|---|
| 0. 使用目的の確定 | 臨床側と開発側の合意。一元的相談窓口の回答 | 一文で書く。質問ではなく提案を持って相談に行く |
| 1. 教師データ | 倫理審査、同意、正解付け | 製品化を含む同意で集める。正解の定義を先に決める |
| 2. 出口の決定 | 工程0と1の確定 | Aで出すなら、Cを見据えた記録を残す |
| 3. 性能評価 | 評価用データの確保、専門家の確保、PMDA相談 | 評価データを学習から隔離。デザインを申請前に相談 |
| 4. 製造販売業者 | 相手の見極めと契約 | 工程0〜2を固めてから選ぶ。権利方針を先に持つ |
| 5. 実装・運用 | 導入形態、保険、再学習の設計 | 保険適用の時期(C1・C2は年4回)から逆算する |
PMDAの審査期間目標は第1章に示したとおりです [S8]。当社グループの経験では、審査そのものが長引くことは稀で、申請にたどり着くまでが長い。本稿の工程0〜3が、その時間の大半です。
10. 当社グループがたどった道
これは顧客の事例ではありません。当社グループ(製造販売業者:ネクスジェン株式会社、販売元:カーブジェン)の製品で起きたことを、本稿の根拠として開示します。
細菌感染症菌種推定支援AIソフトウェアBiTTE-Urine(販売名。以下「BiTTE-Urine」)は、尿のグラム染色画像から各菌体の特徴を検出・解析し、菌種推定の結果を画面に表示して、医師の菌種推定を支援するプログラム医療機器です。本プログラムのみで細菌感染症の菌種推定を行うことは目的としていません。神戸大学および国立国際医療研究センター(現・国立健康危機管理研究機構、JIHS)との共同研究をもとに開発し、2024年11月27日、関連会社のネクスジェン株式会社が製造販売業者として、クラスII(管理医療機器。一般的名称:微生物分類支援プログラム、承認番号:30600BZX00247000)の製造販売承認を取得しました。カーブジェンは販売元です [S18][S19]。
当社グループが実際にたどった順番です。
- 臨床パートナーとデータ設計を同時に。モデルを作る前に、病院側と「何を正解とするか」「どう撮影するか」を決めました。学習データは、2つの協力病院で既存の登録に基づき匿名化された検体から構築しました [S20]。
- その設計の上でモデルを構築。評価用データは、申請予定の使用目的に合わせて先に確保しました。
- PMDA相談。使用目的、エビデンス、専門家との比較の考え方について相談しました。
- 申請と承認。
- 論文化。2つの高度医療機関の306画像を対象に、微生物検査の専門家10名との比較を非劣性デザインで行った結果を、2025年4月に Journal of Medical Microbiology 誌に発表しました [S20]。性能の数値は本稿に再掲せず、論文を参照してください。
カーブジェンは神戸に自社のBSL-2ラボを持ち、教師データの一部を自ら生成できました [S21]。ほとんどの研究者にはこれは不要です。重要なのは、データ設計・パートナー・使用目的を、最初に、同時に決めたことです。
同じ考え方は、ヒト以外にも適用できます。2026年9月には、麻布大学獣医学部と、経験によらず牛乳房炎の原因菌を同定するAIシステムの共同開発を発表しました [S22]。現場の「困った」が出発点であることは、医療でも獣医療でも変わりません。
11. 次の一歩
臨床ニーズとAIの試作があり、工程0〜2のどこかで止まっているなら、一度お話しください。研究計画の段階でも結構です。守秘が必要な内容は、NDAを先に結びます。
お持ちいただきたいもの:使用目的の一文(書けていなくても構いません)、手元のデータの概要(種類・量・同意の範囲)、現時点での出口のイメージ。
その後の流れ:薬事・臨床・AIの担当が一緒に拝見し、工程のどこに課題があるかを整理したうえで、オンラインで打ち合わせます。進める価値があれば、書面で業務範囲とお見積りをお出しします。合意前に何かが始まることはありません。
お問い合わせ
本資料の内容や当社の製品・サービス、DXAIソリューションについてのご質問は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
https://carbgem.com/contact/
12. カーブジェン株式会社について
カーブジェンは、当社グループでのプログラム医療機器(SaMD)承認取得の経験をはじめ、先進的な技術を通じて、ライフサイエンス分野における診断支援、研究の効率化、品質管理の標準化・自動化を推進しています。熟練技術者の不足や地域の格差といった社会課題の解決に取り組み、正確かつ迅速な結果を提供することで、医療や産業の現場を支援しています。
また、AI技術とデジタルプラットフォームを活用し、研究用途AI、自治体・産業DXまで、科学的根拠に基づく意思決定を支えるソリューションを提供しています。2026年2月にはインド政府主催「AI Impact Summit 2026 – 世界TOP10」に選出されたほか、東京都主催「Tokyo Social Innovation Tech Award 2024」、第38回 中小企業優秀新技術・新製品賞ソフトウエア部門「優秀賞」を受賞するなど、国内外で数々のアワードを受賞 [S23][S24]。産官学との連携によるオープンイノベーションを通じて、未来の地域・医療・研究の共創にも力を注いでいます。
Website: https://carbgem.com/
13. 出所
特記のない限り、確認日は2026年10月1日(S7・S16・S17は2026年10月8日、S6の追記分は2026年10月12日に確認)。公的機関・規制当局・業界団体・査読論文・当社の公式発表を一次情報として優先し、二次情報には「secondary」と付記しています。
- [S1] 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「SaMDの認証審査において留意していただきたい事項」第1回ARCBとPMDAの定期会議・産業界との連携会議、2025年9月5日。承認・認証実績:581品目(〜2025年3月、一変を除く)、承認160(27.5%)、認証421(72.5%)、疾病診断用プログラム417品目。https://www.pmda.go.jp/files/000277142.pdf
- [S2] PMDA「プログラム医療機器」ページ — 一元的相談窓口、審査ポイント、認証基準への移行。https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/devices/0048.html / PMDAプログラム医療機器審査部「プログラム医療機器の薬事開発・承認申請に関する手引き」(2026年5月27日更新)https://www.pmda.go.jp/files/000274829.pdf
- [S3] 厚生労働省「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略(DASH for SaMD)」2020年11月24日。https://www.mhlw.go.jp/content/11124500/000761867.pdf
- [S4] 厚生労働省・経済産業省「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略2(DASH for SaMD 2)」2023年9月6日。https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001142990.pdf
- [S5] 厚生労働省医薬局医療機器審査管理課「プログラム医療機器の特性を踏まえた二段階承認に係る取扱いについて」医薬機審発1116第2号、2023年11月16日。https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc8055&dataType=1&pageNo=1
- [S6] 厚生労働省「『人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針』の一部改正について」2026年8月28日(2026年8月27日官報告示、2026年12月1日適用)。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75864.html / 文部科学省「人を対象とする生命科学・医学系研究」https://www.mext.go.jp/a_menu/lifescience/bioethics/seimeikagaku_igaku.html / 同改正の通知(厚生労働省掲載)https://www.mhlw.go.jp/content/001743404.pdf(確認日2026年10月12日)
- [S7] 文部科学省・厚生労働省・経済産業省「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針の一部改正について(通知)」8文科振第513号・科発0827第1号・医産発0827第11号・20260827商局第2号、2026年8月27日(2026年12月1日適用)— 公布通知。https://www.mext.go.jp/content/20260827-mxt_life-000035486-3.pdf / 改正後の指針本文 https://www.mext.go.jp/content/20260827-mxt_life-000035486-1.pdf / 文部科学省 報道発表「『人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針』の一部改正について」2026年8月28日(主な改正点:IC・オプトアウトの整理、既存試料・情報は原則オプトアウト、多機関共同研究の一括審査は侵襲・介入研究で必須・その他で原則)https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01679.html(確認日2026年10月8日)
- [S8] PMDA「医療機器にかかるPMDAの取組」第3期第1回医療機器・ヘルスケア開発協議会 資料3-2、2025年6月4日(経済産業省掲載)— 審査期間目標と令和4〜6年度実績。https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/medical_equipment_healthcare/pdf/007_03_02.pdf
- [S9] 厚生労働省「プログラムの医療機器該当性に関するガイドラインについて」当初通知:2021年3月31日 薬生機審発0331第1号・薬生監麻発0331第15号/改正通知:2023年3月31日 薬生機審発0331第1号・薬生監麻発0331第4号。https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7534&dataType=1&pageNo=1
- [S10] 厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課 事務連絡「プログラムの医療機器該当性判断事例について」2023年3月31日(PMDA掲載)。https://www.pmda.go.jp/files/000251980.pdf
- [S11] 日本医療機器産業連合会(医機連)「二段階承認制度想定事例案(診断用)」2024年9月 — 業界団体。https://www.jfmda.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2024/09/二段階承認制度想定事例案<-診断用>-.pdf
- [S12] PMDAプログラム医療機器審査部「プログラム医療機器の薬事開発・承認申請に関する手引き」(2026年5月27日更新)— 製造販売業の許可区分(第一種・第二種)、クラス分類、QMS・GVP。https://www.pmda.go.jp/files/000274829.pdf
- [S13] カーブジェン株式会社「第二種医療機器製造販売業許可を取得」(2023年11月10日取得、医療機器製造業登録は2023年1月)2023年12月6日。https://carbgem.com/en/news-20231206en/ / 当社保管の許可証(薬事担当確認、2026年10月2日):第二種医療機器製造販売業許可 13B2X10578(2023年11月10日〜2028年11月9日)、医療機器製造業登録 13BZ201711(〜2028年1月12日。製造工程:設計、最終製品の保管)、高度管理医療機器等販売業・貸与業許可 5渋健生薬第1765号(2024年1月1日〜2029年12月31日、東京営業所)
- [S14] カーブジェン株式会社「ISO/IEC 27001:2022 認証取得」(登録日2024年5月13日、登録番号15698)2024年5月23日。https://carbgem.com/en/news-20240523en/
- [S15] 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」ページ(3省2ガイドライン)。https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
- [S16] 厚生労働省「医療機器の保険適用等に関する取扱いについて」産情発0213第4号・保発0213第6号、2026年2月13日(中央社会保険医療協議会了解。2026年6月1日適用。旧通知=産情発0214第5号・保発0214第4号、2024年2月14日は2026年5月31日廃止)— 保険適用区分(A1〜C2・R、プログラム医療機器を含む)、保険適用時期(C1・C2は年4回、3・6・9・12月基準/A2・B1は原則翌月1日)、チャレンジ申請。https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001672636.pdf(確認日2026年10月8日。近畿厚生局掲載の同一通知 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/000430810.pdf でも確認)
- [S17] 厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総-5-2「プログラム医療機器の評価療養について」(議論のための資料)、2023年12月27日。https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001184444.pdf
- [S18] カーブジェン株式会社「カーブジェン、プログラム医療機器(SaMD)承認取得 細菌感染症菌種推定支援AIソフトウェア BiTTE®-Urine」2024年12月16日 — 製造販売業者:ネクスジェン株式会社(関連会社)、販売元:カーブジェン株式会社。クラスII(管理医療機器)、一般的名称 微生物分類支援プログラム、承認日2024年11月27日、承認番号30600BZX00247000。https://carbgem.com/news-20241216/
- [S19] 神戸大学ニュース「BiTTE®-Urine」2024年12月16日。https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/20241216-66339/
- [S20] Yamamoto K, Ohji G, Miyatsuka I, et al. "Accuracy of classification of urinary Gram-stain findings by a computer-aided diagnosis app compared with microbiology specialists." Journal of Medical Microbiology. 2025;74(4):002008. 2025年4月23日公開。doi:10.1099/jmm.0.002008. https://www.microbiologyresearch.org/content/journal/jmm/10.1099/jmm.0.002008 / PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40266674
- [S21] カーブジェン株式会社 会社概要(Japan, Without the Detours — Market entry support, 2026年9月、非機密)— 神戸BSL-2ラボ。当社公式資料。
- [S22] カーブジェン株式会社「麻布大学獣医学部とカーブジェン株式会社、ワンヘルスでAMRに挑む ― 経験によらず牛乳房炎の原因菌を同定するAIシステムを共同開発」2026年9月2日。https://carbgem.com/news-20260902/
- [S23] カーブジェン株式会社「第38回 中小企業優秀新技術・新製品賞 ソフトウエア部門『優秀賞』を受賞」2026年4月16日。https://carbgem.com/news-20260416/
- [S24] 日刊工業新聞社/りそな中小企業振興財団「第38回中小企業優秀新技術・新製品賞」受賞一覧。https://biz.nikkan.co.jp/sanken/shingizyutu/38shingizyutu.html
付録 — 用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 薬機法 | 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 |
| PMDA | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構。審査と相談を担う |
| プログラム医療機器(SaMD) | プログラム単体として流通する医療機器(Software as a Medical Device) |
| 該当性 | あるプログラムが薬機法上の医療機器に当たるかどうか。使用目的とリスクで判断される |
| 承認/認証/届出 | クラスと類型に応じた3つの流通ルート。承認はPMDA審査・厚労大臣、認証は登録認証機関 |
| 製造販売業者 | 製品を市場に出す責任を負う許可事業者。QMS省令・GVP省令への適合が必要 |
| QMS省令/GVP省令 | 製造管理・品質管理の基準/製造販売後安全管理の基準 |
| 倫理指針 | 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(文科・厚労・経産3省告示) |
| 一括審査 | 多機関共同研究で、1つの倫理審査委員会がまとめて審査する仕組み |
| RUO | Research Use Only。研究用途限定。試薬・機器で用いられる区分だが、プログラムには法令上のRUO区分はなく、医療機器に該当するかは使用目的と実態で判断される [S9] |
| 非劣性 | 比較対象に劣らないことを示す評価デザイン |
| 評価療養/チャレンジ申請 | 保険上の仕組み(評価療養はプログラム医療機器での活用が議論されているもの、チャレンジ申請は医療機器全般が対象)。二段階承認の第一段階製品の評価、実使用データによる再評価 |
免責事項。本資料は一般的な情報提供であり、特定の製品に対する薬事・法務・保険上の助言ではありません。該当性・必要なエビデンス・承認・保険適用は、製品ごとに日本の当局が判断します。当社はプロセスを支援するものであり、結果を保証するものではありません。AI Studioのモデルは研究用途に限ります。本資料は申込みの誘引ではなく、業務範囲と費用は書面で合意します。
薬事表記。本資料で「BiTTE-Urine」と記載する製品は、販売名:細菌感染症菌種推定支援AIソフトウェアBiTTE-Urine/一般的名称:微生物分類支援プログラム(クラスII・管理医療機器)/承認番号:30600BZX00247000/製造販売業者:ネクスジェン株式会社/販売元:カーブジェン株式会社 です [S18]。
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