WHO Western Pacific Innovation Challengeのファイナリストに選出

【論文紹介】Mapping twenty years of antimicrobial resistance research trends(20年間の抗菌薬耐性研究の動向解析について)

Executive Summary

目的:

薬剤耐性(AMR)は世界中で健康や医療の脅威となっている。増加し続けるAMRの脅威に応える形で当分野への研究資金も増加してきた。しかし数多くの研究を広い視野で見渡したうえで、時間的、地理的な傾向を含む、研究成果の包括的な分析は存在していなかった。そのため当研究では機械学習の手法であるトピックモデルを用いて、AMR研究の科学的進化とその傾向を明らかにし、将来のAMR研究の方向性を検討する助けとする。

手法:

AMRの関連論文(1999年-2018年)を含むPubMed(米国国立医学図書館が作成する医学分野の代表的な文献情報データベース)から得られたテキストデータに対してStructural topic modelling (STM、機械学習手法の一つ)を適用し、 頻度、割合、重要度によってトピックの傾向を分析した。

結果:

合計で、166カ国からの158,616本の論文から88のトピックが確認された。AMRに関する文献は1999年から2018年の間に450%増加しておりAMR分野の活況を示している。2018年に盛んに研究されたトピックは、「新たな耐性菌、疾患への対策」、「ナノ粒子」、「抗菌薬管理プログラム」であった。新興のトピックとしては、「水と環境」、「シークエンス」などが挙げられる。地理的な傾向としては、アフリカ地域において多剤耐性結核(MDR-TB)が大きな社会負担となっていることに対応する形で、MDR-TBが中心的な研究対象であった。AMR研究は米国が中心的な役割を果たしてきたが、それに追従する形で中国とインドが近年大きな成長を遂げている。

関連記事

  1. 感染症による死者数が、がんを越える? 抗菌薬を適正に使用するためには

    【論文紹介】Global burden of bacterial an…

  2. 造血幹細胞移植の課題と解決法~長期造血幹細胞の単離・拡大培養法の開発~

    【論文紹介】The role of vaccines in comba…